2009年10月20日火曜日

台風被害 / 身頃の花木 ~ アラウカリア


台風18号が10月7日に紀伊半島に近づき、志摩半島をかすめて8日の朝6時ごろ知多半島に上陸し、本州を縦断して過ぎ去りました。当園では強風と塩害の被害がありました。植栽5~6年を経過したクロマツの若木の倒木が目立ちました。急成長をして枝葉と根のバランスがとれないのでしょうか、しかも台風通過中最も強いと思われる南東の風を受けて、ほとんどが西北方向に倒れるか、傾いていました。浜名湖は塩水であり、当園は湖内の庄内半島の先端に位置し、強風による塩害を受けやすい場所にあります。草花の担当者は日の出前に出勤して、散水をして塩害を避けたようです。一部の落葉樹と中国・四川省産のメタセコイアが弱く、葉は茶色になり落葉もし始めて目立ちます。オオシマザクラや北米産のラクウショウは海岸に近い所に分布するのでしょうか、強いようです。50年前の伊勢湾台風の際には台風の過ぎた後、遠州灘海岸より直線で北に8km以上も離れている市内の自宅周辺の植栽されたイヌマキの生垣の葉に、塩の結晶が雪のように積もっていたことを思い出します。当地の秋の紅葉は暖地であるために一斉にならず長期間に渡り、期待できません。その上に8月に約1ヶ月ほど雨が降らなかったことと今回の台風の塩害により、葉が傷んだことにより期待できない要素が積みあがりました。


ナンヨウスギ科、アラウカリア(Araucaria)属には約15種があり、原産地は南半球(南米、ポリネシア、オーストラリア)で、いずれも強風や台風のない地帯に分布します。シマナンヨウスギ(ア・ヘテロフィラ:A. heterophylla)は南太平洋のノーフォーク島に分布、園内には10本内外植栽されています。当地では戸外で越冬し、均整の取れた円錐形の樹形になって美しいため、今後の成長を期待していました。管理事務所前(南側)に樹形がほぼ出来上がった3本が植栽されていました。3本とも3本の丸太の支柱がされていましたが、支柱が細かったためか今回の台風で風を受ける西側の支柱がことごとく折れて倒れてしまいました。ほかの場所では倒れていないようです。この場所は北側に大規模の2階の建物(一部管理事務所)があり、建物が強い南東の風を受けて、西向きに集めてさらに強い風にして通したようです。これを栽培するに当たっては、樹の大きさに見合った強度のある支柱は欠かせないようです。園内に植栽されてはいませんが、パラナマツ(ア・アングスティフォリア:A. angustifolia)はブラジル南部、アルゼンチン原産で、当地ではよく育ちます。チリマツ(ア・アラウカナ:A. araucana)は南緯37度以南のアンデス山脈に分布し、この属の中で唯一の耐寒性種です。花博開催当時、コウヤマキとヒマラヤシーダーとともに美しい樹形の世界三大庭園樹として注目し、比較・植栽展示されていましたが、3回ほど植え直しては枯れてしまいました。私の経験では当地は多湿で暑すぎ、栽培には気候が合わないようです。スギ科で、カルフォルニア、シェラネバダ山脈の1,5002,500mの山地に自生する世界最大の樹、セコイアオスギ(セコイアデンドロン・ギガンテウム:Sequoiadenndron giganteum)も同様のようで、当地で栽培を成功した例を聞いていません。パラナマツと同様に細長い葉の先が鋭く尖り針のようなっていて、幹にも葉があり、サルがこの木にのぼれないほどトゲトゲであるためモンキィー・パズル(Monkey-puzzle)の英名があります。しかし、この地には野生するサルはいないそうです。

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